~身体を有機的に解釈する正当性~
東洋医学的な考え方が再評価されはじめている。そういう話を聞いたことがある人は少なくないかもしれません。この見立ては、実は近代科学の目覚ましい発展がもたらしたものです。
これまでの西洋医学中心の医療分野では、患部は直接治療するものでした。外科手術はその花形となっていますが、東洋医学の場合はそのような治療に限らず、患部と全く無関係に思える部位にも施術をおこないます。これは人体を「有機的に全体が繋がったもの」として捉え、総合的に治療しようと試みるためです。
今日、進歩著しい生理学分野でも、「身体を有機的に捉える」考え方の正しさが裏付けられ始めています。結果として科学的にも東洋医学が再評価されつつあるというわけです。
さらに言えば、西洋医学では病気を事後的に治療するのが主ですが、東洋医学では前兆を察知して予防する術も伝わっています。このあたりの科学的立証はまだまだ不十分ですが、証明されるのも時間の問題かもしれません。
2017年~2018年にかけてNHKスペシャルにて特集された「人体」というシリーズは、こうした最新の人体メカニズムを分かりやすく理解できる優れた番組になっていました。興味のある方はぜひ御覧ください。
これからますます人体への理解が進み、科学と東洋医学が混じり合って発展すれば、人はもっともっと健やかに生活できるだろうと、そんな希望をいだいています。